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香港からブツブツ
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昨年東北大震災直後、手兵日フィルを率いて香港で鮮烈な演奏会を行ったラザレフさん。今回3回目の共演となる香港フィルを指揮するため、再びラザレフさんが訪港しました。香港フィルとのドレスリハーサルの合間に1年2ヵ月ぶりのインタビューしました(昨年のインタビューはこちら)。

今回3度目の香港フィルとの共演ですがいかがでしょうか?
-再度の共演が決まってからとても楽しみにしていました。今回のプログラムはグラズノフの「ライモンダ」(抜粋)、 ストラヴィンスキーの「ダンバートン・オークス」、ボロディンの交響曲第2番の3曲ですが、いずれの作曲家も、一般的にはあまり知られていない曲かもしれませんが、すべて素晴らしい曲ばかりです。グラズノフについては、バイオリン協奏曲の方が有名ですが、「ライモンダ」はグラズノフが作曲したバレエ音楽作品で、美しい旋律が随所にちりばめられている素晴らしい作品です。ボロディンについては「ダッタン人の行進」や交響詩「中央アジアの草原にて」に比べ、この交響曲第2番は比較的演奏される機会が多くはないですが、 未完の3番を含めたボロディンの3つの交響曲の中でもとりわけ素晴らしい作品です。香港フィルにはこれら3つのロシアの作品について、実に細かく指導しました。今晩と明晩、皆様に自信を持ってお聞かせできるかと思います。

昨年3月のインタビューの際にもお話しましたが、香港の聴衆はもとより、香港フィルのメンバーもマエストロへの人気は非常に高いです。今回3回目の香港フィルとのコンサートを通じて、より関係が強固になったのでは?
-より強固(strong)というより、より親密(close)になったと感じています。香港フィルには若いメンバーも多いですので、彼らとより親密になったのかな、と感じています。

アジアでは香港フィル以外に指揮をしたオーケストラはどちらでしょうか?
-日本では私のオーケストラ日フィル以外に読売日本交響楽団やNHK交響楽団などと共演しました。そして香港フィル以外のアジアのオーケストラでは韓国のKBS交響楽団を指揮しました。環太平洋エリアとしてはオーストラリアや ニュージーランドの様々なオーケストラを指揮しました。

手兵の日フィルと香港フィルを比較して、お互いの優れた点をお聞かせいただけますか?
-自分が音楽監督を務める日フィルは間違いなく世界一のオーケストラです。これが答えです(笑)。

昨年の日フィル公演についてですが、RTHK(香港のNHKみたいな放送会社)で2011年の香港市民が選ぶ2011年音楽界10大ニュースで、日フィル香港公演が6位に選ばれました。
-6位に選ばれた事は、3月の日フィルを指揮した際にオーケストラから連絡を受けました。とても困難な状況で日本から香港を訪れた事、厳しい状況にも関わらず、とても私のオーケストラである日フィルが素晴らしい演奏を行った事は長い音楽生活の中でも忘れることが出来ない、そして誇りに思う香港公演でした。この公演を高く評価して下さった香港市民の皆様に敬意を表したいと思います。
(補足説明)
香港市民が選ぶ2011年音楽界10大ニュースの内、第5位の新作オペラ「孫文」は当初中国公演が予定されていながら、突如中国政府からstopがかかり、香港のみでの公演でした。この件は香港はもとより日本や海外メディアでも大きく取りあげられたスキャンダラスな出来事。また8位には8年間香港フィルの音楽監督を務め、今月退任するエド・デ・ワールトについてでした。エドの退任の話題を差し置いて日フィル公演が6位に選ばれたのはいかに香港市民が日フィル公演に対して強烈な印象だったかを物語っています。

日フィルとの今後の公演についてお聞かせください
-今週の香港フィルとの公演の後、来週は今回香港フィルとの公演でも演奏する「ライモンダ」と チャイコフスキーの「悲愴」交響曲を演奏します。翌々週はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番と チャイコフスキーの交響曲第3番を指揮します。今秋にはプロコフィエフ交響曲全曲演奏プロジェクトの最終章としてプロコフィエフの第6交響曲を演奏します。

日フィルの正指揮者として今年9月から就任する山田和樹さんについては?
-山田さんとはまだ会ったことがありませんが、日フィルや事務方が山田さんを選んだ指揮者ですから、 決して間違っていない選択だと思っています。私は日フィルのメンバーや事務方には全幅の信頼を寄せているので、私が何かアドバイスをするようなことは全く有りません。



ドレスリハーサルをインタビュー前に聴きましたが、ポロシャツの背中も顔も汗びっしょになって実演さながらのエネルギッシュなラザレフさんの指揮、彼の指揮に実にvividに反応する香港フィル、そしてリハーサルが終わった後、楽員みんなが拍手のみならず、足を踏み鳴らしてラザレフさんを称えているのは、このコンビが本当に彼が言うように”親密な関係”を築きあげている事がリハーサルを聴いただけで容易に感じることが出来ました。

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