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香港からブツブツ
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ブルックナーを聴きだしたのは、結構あとになってからで、最初は何じゃこりゃ?って感じでした。で、初めていいなぁって感じたのが、1984年に聴いたコリン・デイヴィスとバイエルン放送交響楽団のコンサート。それから4番や3番聴いたりしてから、漸く8番や9番に到達し、そして5番や6番、時期的には2番と1番が最後って具合。その間1990年に聴いたチェリビダッケとミュンヘン・フィルの8番はとてつもない演奏で、終生忘れないほどの強烈さだった。

そして最近聴いたペトリ・サカリとBBCウエールズSOが演奏したブルックナー7番のCD、久々に実に素晴らしいブルックナーを聴いたって印象。このCDはイギリスの月刊誌BBC MUSIC6月号の付録。BBC MUSICは実はぼくは創刊号からずーっと買っているんですが、その大きな目的は付録のCD。雑誌の付録のCDってのは大抵がチョイ聴き、つまりハイライトCDなんですが、BBC MUSICのは全曲演奏が基本、しかも店頭では手に入らない演奏で、殆どがBBCに関係する演奏団体(合唱団やオケ)によるもの。今までにもヤンソンスがBBCウエールズを振ったアルプス交響曲とか、ベルンハルト・クレーのブルックナー9番(超名演!)とかマリンのマーラー4番とか、とにかく次の雑誌が出る迄の一ヶ月間だけでしか、手に入らないなんてもったいないようなCDが毎月出ている。


さて今回紹介したサカリのブル7、まず弦の響きがたまらなくマイルドで素敵、そして木管が実に温かく、そして旋律に寄り添うかのように控えめで、どこかけなげなって感じの演奏をする。テンポは幾分ゆっくり目なのですが、ダレることもなく、そして決してパワーが無い訳ではない。サカリはNAXOSでシベリウスの交響曲全集を録音してて、この演奏もなかなかよかったんですが、サカリがこんなにブルックナーを素晴らしく演奏するとは想像もできなかった。

BBC MUSICの次号(7月号)はイギリスでは6/7に発売されるので、それまでにぜひ6月号を買って、このブルックナーを聴いてみてください。因に7月号はジョセフ・スヴェンセン指揮BBCウエールズSOのシベリウスSYM.1、ヤーノシュ・フュルスト指揮アルスター・オケのニールセンのSYM.1です。


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日本でイチバンの楽しみは、クラヲタのぼくとしてはCD捜索活動。10年前に香港に住みだした頃に比べ、相当いろんなクラシカルCDを香港で買うことが出来るけど、やはりヲタク天国ニッポンに比べたらまだまだ。

今回日本で買って一番ワクワクドキドキしたCDはモルテン・ゾイテン(Morten Zeuthen) が録音したScandinavian Classicsのバッハの無伴奏チェロ組曲。ゾイテンって名前は全く知らなかったんだけど、タワー渋谷店で絶賛のコメント(そして安い、ココが知らない演奏家のCDを買うのは結構大事なポイント!)が付いていたんで、買ってみました。いやぁー、本当に絶賛のコメントがつくに相応しい演奏。ぼくにとっての無伴奏チェロのベストはウイスペルウエイの録音、それも一回目の。

ゾイテンって発音するのかわかんないけど(デンマーク人の名前をドイツ語読みするのは正しいんかしらん?)、チェロを愛して演奏しているなぁ、ってのが印象。ゾイテンについてサイトを色々調べてみると1951年生まれでこの録音は1992-3年、つまりレコーディングは40歳になったばかりの頃。プロフィールを見る迄はてっきり20-30代で録音したんだろうと思っていました。それほど瑞々しい演奏デス。

画像に載せたのがゾイテン。見られたら分かるかと思いますが、写真をどっかに掲載されるかわからないのに、右の襟はセーターに入ったまま、左の襟はセーターから出ている、んーなんとも無頓着。だらしがないといったらそれまでだけど、そんなどっか自然な雰囲気が音楽にも現れている。

いつかこの人の演奏をナマで聴いてみたいなぁ。演奏を聴いたあと、なんとも言えない幸せを感じさせる演奏です、Bravo!


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僕のもう一つのblogであるばってんの香港フィル日記、今年になってから何度も香港フィルのコンサートには行っていたのですが、演奏会評を書くのをずっとさぼっていました。今日まとめてドサリ!と書き込みましたので、ぜひご覧ください。

先週と先々週に聴いたズウェーデン指揮の演奏会、これはとにかく凄かった。時々日本のオケも振っているようですから、是非とも彼の演奏会には聴きに行ってみてください。猛烈なパワーを受けるし、聴いている方にもパワーと与えてくれます。

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シカゴSOを率いていたバレンボイムの後任ははたしてだれだろう?とクラヲタの世界だけで、それそこ数年前からボソボソと騒いでいましたが、意外や意外!今年77歳のハイティンクに決まりました。詳しくはシカゴSOの公式プレスリリースを参考まで。

どういうわけか待望論かもしれないけど、ムーティが本命って言われていたので、ハイティンクと聞いて結構ビックリ!シカゴSOのかつてのシェフはバレンボイム、ショルティ、ライナーといずれも個性が極めて強い指揮者ばかりだったので、次回もそういう感じの指揮者なのかな?と勝手に推測した訳ですが・・・。

ハイティンクはぼくは今迄ナマで聴いたことはありません。CDだとクリスマスマチネーの日に演奏したマーラー(Sym.1-5,7,9他)を集めたDutch Master、ロンドンフィルとのR.V.ウイリアムズ交響曲全集、そしてとにかく凄い演奏なのがECユースオケを振ったブルックナーSym.8、ってとこがお好み。とりわけECユースの分は、これが学生オケ?なんて範疇では収まらりません。知り合いにきかせると、いつも「この演奏だれなの?チェリ?ジュリーニ?」って尋ねられます。自主制作みたいな類いのCDだけど、ずっとお蔵入りしているのは本当に残念です!

シカゴSOは16年前ショルティ指揮の倉敷公演に聴いたのが最後ですから、随分メンバーとかも様変わりしたことでしょうね。ハイティンク就任後、ぜひ聴いてみたいです、CSO。


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香港の超優良企業SWIREが今後3年間にわたって実にHK$3,600万(約5億円)のスポンサーを申し入れました、詳しくは香港フィルのプレスリリースをご参考に。SWIREは1867年に香港で設立したイギリス資本の会社。元々は砂糖の製造販売からスタートしたのですが、その後世界的なメガ企業の販売権獲得、不動産業などを事業拡大を展開し、今や香港の最も有力なコングロマリット企業です。同社の傘下はキャセイ航空やコカコーラなど。詳しくはWIKIPEDIAのサイトをご覧ください。

香港フィルの年間収入が約HK$9,000万(約13億円)、その4割の金額がSWIREからのスポンサー収入として入ってくる訳ですから、これは本当に凄いことです。興味は無いかも知れませんが、香港フィルの2003/2004シーズンの収支決算はPDFファイルにてダウンロードできます。

2005/2006のシーズン予定がそろそろ発表されますが、これからの香港フィル、ますます楽しみです♪


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エド・デ・ワールトが香港フィルの音楽監督に就任したことから、前任者サミュエル・ウォンの事がすっかり忘れられているけど、彼の薫陶無くして今の香港フィルはなかったし、そのレベルの高さが無ければ、世界的に有名なあのエドを香港フィルの音楽監督に迎え入れることは決してなかったってことはまぎれも無い事実です。

そんな素晴らしい我が友サミュエルが、11月に名古屋フィルを久々に振りに来日します。前回の演奏会でサミュエルは名古屋フィルの士気の高さにすっかり心酔したようで、ぜひもう一度名古屋フィルを振りたい、と僕に語っていましたが、願いが叶って今秋に演奏会があります。プロにのっているメインのドヴォ7はサミュエルが大好きな曲、そして僕の指揮で最初に香港フィルの演奏会で堪能したのもこのドヴォ7。

そんなサミュエル、今日4/12は44歳の誕生日です。ですんで彼にはイメージのようなgreetingを送りました。

ん?読んでなんか気がついた人、僕にも宜しくね♪


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やっとというか漸く戦場のアリアが日本で月末上映されるそうです。実は昨年末、まさしくストーリーの中心となるクリスマスの時期にこの映画を観て、心底感動したんですがその時、日本の配給元となる日本ヘラルドの情報だと予定では今年の年末、って書いてあったので、それまでは映画の紹介は控えておこうかなって思っていました。ズバリ!とにかく観てほしい!映画です。ストーリーの詳細はリンク先を覗いてくれたらわかるんで省略。クラヲタのみなさん!オペラファンの方ならご存知ヨーロッパで大ブレークしているVILLAZONがドイツ兵役の声、彼のフィアンセをソプラノ歌手Natalie Dessayが声を演じています。ここでドキドキした人、ぜひ映画いくべし!ストーリー自体は戦争映画なのですが、かつてのいわゆる戦争映画ではなくて、いわば「なぜか、なんとなく」戦争に駆り出された人が、この戦争ってなんだろう、って心の隅におきながら、実際は人として決してやってはいけない事、それは人を殺める(あやめる)事の張本人になっていることの苦悩。そんな死ぬか生きるかという戦場の極限状態に置かれた時、国籍を超えてヨーロッパ中が祝うクリスマスイブの日を迎える。あぁーこのあとストーリーを話しちゃうと映画の関心をそがれちゃうので省略。この映画、今から90数年前に本当に起こったヨーロッパでは有名な話ですので、当時の人の心を知る上でも本当に是非ご覧ください。そして映画を見た人、「あの目覚まし時計、何か悲しいよね」。


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11月にベルリンフィルが来日しますが、香港にも立ち寄って2公演行います。ベルリンフィルの演奏会なんて、って思うかもしれませんが、実は今回初来港なんです!ウィーンフィルは香港に来たことがあるんですがね、でも一度だけ。いつだと思います?1959年10/25にカラヤンと。

というわけで、CDショップにはベルリンフィル関連のCDがわんさか。来港記念のCDっても出てて、それが画像に載せた分。HMV香港に紹介されていますが、今回の演奏会のプログラムにだいたい併せましたよぉーっていう安直企画。指揮者だってラヴェルはブーレーズ、ベートーヴェンはアッバード、ハイドンとシュトラウスはカラヤンと楽天イーグルスもびっくりの寄せ集め。

カラヤンの最期の来日公演が今のところ最初で最後のベルリンフィルの生経験。どうもベルリンフィルってのは聴く気が起こらないオケなんですよね。というわけで、香港ではある意味歴史的公演のチケットは購入していませんです。そしてなによりいつもは結構チケットが日本よりも廉価なのに、ベルリンフィルのチケット高過ぎ!
(日本公演の場合)
A. 36,000.- B. 31,000.- C. 27,000.- D. 22,000.- E. 17,000.- F. 12,000.-

(香港公演の場合{HK$1=15円計算})
A. 37,500.- B. 30,000.- C. 24,000.- D. 18,000.- E. 12,000.- F. 8,000.-

(訂正とお詫び)
ウィーンフィルの香港公演、かつて一度だけ、と書きましたが、1995年にレヴァインと来ていたことが判明しました、失礼しました。

情報提供していただいた香港在住のKさん、ありがとうございました!





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週末チェリビダッケのDVDを久々に観た。彼が言うところの音の「間」ということについて共感すべきことがあった。「間」、それは物理的には音が無い瞬間、でも人間にとっては寸前に聴こえた「音」が記憶の物理的状況によって、人はどう感じて、次の音とどう連感するか、それぞれがいくつもの素となって、最終的には音楽としていかに自分の音楽として形成されるってどうなっていくのか、そんなことを教えてくれた。気がついていないけど、体験的に人々が自然に「音」を受け入れたそんな絶対的な経験を素直に音楽として具現化したのは、他ならぬチェリビダッケだと改めてそう思う。

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書込みしなきゃしなきゃと思いながら1ヶ月サボッてしまいすみません。出張やらで仕事は忙しかったし、夜は夜で春先恒例の香港芸術節(Hong Kong Arts Festival) に行き倒したりでしたので(MTT&サンフランシスコSOとかエド&香港フィルの「復活」とかシュトットガルトオペラの「ドンジョヴァンニ」とか)・・・。

実はこの木曜から土曜の朝迄日本に突然来日しました。木曜の成田着が20時過ぎ、今朝(土曜)の朝便で帰ってきたので、正味行動できた時間は昨日の金曜だけ。香港では手に入らないモノやらなんやら買ったついでに、上野の東京文化会館に立ち寄りました。今から21年前の1985年2/21、このホールで初めてベルティーニさんに直接お目にかかった思い出の場所。そのときのいきさつはばってん箱の思い出のコンサートに簡単に触れています。なぜわざわざ東京文化会館に行ったと思います?実は昨日3/17はベルティーニさんの一周忌。もう二度と東京文化会館、そして横浜みなとみらいホールやサントリーホールで彼のステージを経験できないのかと思い、文化会館の前でしばし立ち尽くしてしまいました。


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昨秋には日本で再発売されていたベルさんのマーラー全集、年末に日本に戻った時、「バラで全部持っているけど、買い直そうかな」と悩んだ末、買わなかったのですが、今日香港でも店頭に並んだのでヤッパリ買いました。なんで買ったって?11CDsでたったのHK$198(2,800円弱)だったからです。大地の歌を聴いてみたのですが、以前買ったElectrolaの盤に比べ音のメリハリが実にはっきりして聴きやすく、臨場感バッチリです。買い替えてよかったです。国内のHMVでは7,000円位で売っていますが、それでも安いですよね。オススメです、ぜひ!


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ここんとこSACDでリリースされるCDが増えてきた。たいていはHYBRIDなので、通常のCDプレーヤーで聴くことは可能なのですが、「SACDを聴くと、今迄のCDは何だったのだろうか!?」ってコメントがあちこちのblogなどで目にする。実は全く以てオーディオ関連には興味のないぼくも先日Cambridge AudioのDVDなどとコンパチになったモデルを買いました。当初はパイオニアとかフィリップスのモデルを買うつもりだったのですが(手頃な値段ではこの2社の製品だったんで)、CAMBRIDGEのはデザインが凄く綺麗だったのと、アンプも手頃な値段でシンプルな作りだったので、これからCAMBRIDGEで揃えようかな(アンプは現在ONKYOの)と思い、この写真の分(DV-87)を買いました。帰ってから早速セッティングをし、年末に買ったベルティーニさんのマーラー9,10番やちょっと前に出たマーラー8番、そしてキタエンコのショスタコ13番聴きました。音の粒が全然違うし、フルオケでも全然混濁しない。楽器の位置が見えるような感じ。ホント「全然違うぅー!」です。

SACDをマルチチャンネルで聴かれている方もいらっしゃると思いますが、これはいかがですか?サンプル数が減ってしまい、音楽鑑賞には向いていない、と知人から聞きました。マーラー8番などはバンドがあっちこっちゃに位置するので、マルチチャンネルで聴くのもいいのかな?とは思いますが。左右の2chスピーカーで聞いた限りでは、マルチチャンネルにすると、それぞれの音が萎縮したように感じます。その分後ろやウーハーに音が流れているのでしょうか?この辺、全然知識ないので、ご存知の方教えてください。5.1chを買うべきかどうかの判断材料としたいので。一応目をつけているのはヤマハのTSS-15

あれこれ買ったら、家人に怒られそうだなぁ、ボソボソボソ。


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国内では月末あたりに発売されるエディション・ガリー・ベルティーニ、香港では早くも店頭に並んでいまして、勿論というか早速購入しました。今回リリースした3枚、全ての曲の収録場所と時期が全部違います。レクイエムはケルンのフィルハーモニーホール(18/May/'91)、大ミサはゲルゼンキルヘンのハンスザックスハウス(31/May/'86)、ヴァイオリン協奏曲5番はライプチヒのゲヴァントハウス(18/Nov/'89)、ピアノ協奏曲25番はケルンのギュルツェニヒ(3/Dec/'82) 。ケルン放響の音楽監督に就任('83)する前の演奏から就任を終えた年('91)までの約10年がこの3枚で堪能できます。聴く前は少々鋭角的なそしてテンポが早めの演奏をするのかな、と想像していたのですが、慈しむようでそして決して感情に溺れることのない清廉な演奏って感じです。このシリーズの時期はベルさんが50代から60代、指揮者として一番脂がのっているっていう頃。ぼくが彼のシュトットガルト放響の一連の演奏をNHK-FMで聴いて感銘を受けて彼との交流が始まったのもこの時期。

エディション・ガリー・ベルティーニって銘打ってありますから、これからいろんな在りし日のベルさんの名演奏が聴けることでしょうね。情報が入ったら、このblogで紹介させていただきます。


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2006年のニューイヤーコンサートをiPod nanoで聴いています、素晴らしい、ヤンソンス!!!未だCDも出ていないのにどうしてiPod nanoで聴いていると思います?実はハンガリーのハンガリー国立放送 Magya Radio (Hungarian Radio) Bartokでは放送された番組が期間限定でMP3でオンデマンドで聴くことができるのです。海外ラジオについては番組表wiki - 海外ネットラジオのクラシック音楽番組に詳しく書かれていますので、是非ご覧下さい。さてさて気になる今年のニューイヤーコンサートがMP3で聴けるダウンロード先は、次の3つです(全部DLしてください)。
http://real1.radio.hu/bartok/MP3/7-Vas/Vas-B11.mp3
http://real1.radio.hu/bartok/MP3/7-Vas/Vas-B12.mp3
http://real1.radio.hu/bartok/MP3/7-Vas/Vas-B13.mp3
それぞれ1時間ごとの番組が分割されています(ちなみにハンガリー時間の今週日曜(Vasárnap)11時から放映されたのがVas-B11)ので、お聞きになった最初は全然違った内容が出てきます。それもそのはず、この演奏はウィーン時間10:15から始まったからです(ハンガリーとオーストリアは1時間の時差)。オーストリアの放送局ORFにハンガリー語の解説が重なっていてなんか感じがいいです。編集無しのズバリ生ライブだから、臨場感もバッチリ。


モーツァルト生誕250年ということで、ニューイヤーコンサートでは本来決して登場しない「フィガロの結婚」序曲、「魔笛」や「ドンジョヴァンニ」の旋律がふんだんに盛り込まれているヨーゼフ・ランナーの「モーツァルト党」なんてのが出てきてとっても楽しい。圧巻はエドゥアルド・シュトラウスの「電話ポルカ」。曲が終わる直前に携帯電話の音がプルルゥ~ン、プルルゥ~ン。せっかくの演奏が中断しちゃうというなんともにくい演出。昨今の演奏会を皮肉くって最高。以前セルジュ・ボドが香港フィルで「牧神の午後の前奏曲」を振った時、最後の最後の旋律でプルルゥ~ン、プルルゥ~ンって鳴ったことがありました(これは演出じゃないですよ、勿論!)。ボドは次の作品を振ろうとしたら、客先に向かって「音楽と携帯電話はmatchしません」と語ったことを思い出しました。
それにしてもヤンソンスのとても軽快なリズムがとてもポルカやワルツに合っていますね。カラヤンやクライバーが絶妙のニューイヤーコンサートを振って以来、あんまり感心する演奏会が2001年のアーノンクール初登場の時くらいしかなかったのですが、ヤンソンスの演奏会は久々の大ヒットというかホームランですね。またニューイヤーに呼んで欲しい指揮者です。因みに2007年は4回目登場のズービン・メータ。


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あけましておめでとうございます

みなさんの2005年の聴き納め、そして2006年の聴き始めはいかがでしたですか?
ぼくは大晦日は家でおそば(例年大晦日は行きつけのそば屋に行っていたんだけど、店長が先日夜逃げしちゃって、お店が潰れちゃった!)を食べて、それから香港のTV局で流れていた香港フィルのNew year Eveコンサートを観て、これが2005年の聴き納め。香港フィルらしく、さまざまな国籍のメンバーが、それぞれの"Happy New year"を母国語で挨拶。「ハッピーニューイヤー!」「新年好!」(北京語)、「新年快樂!」(広東語)はもとより、スェーデン語、ドイツ語、オランダ語、ルーマニア語、日本語などいろいろ登場。プログラムはオペラアリアあり、シュトラウスものありで、なかなか楽しいかったです。endingはお決まりのラデッキー行進曲。

そして年始はBBC RAdio3で2005年のラストナイト・オブ・プロムスでスタート。香港って日本や欧米みたいにクラシック番組が対して充実してないんですよ。たしかにRTHKでは一日中クラシック曲をながしているけど、あんまり面白いプログラムはないんです。で、つい最近から聴きだしているのがBBC のRadio3。リアルタイムで放送が聞けるって事は知っていたけど、こんなにプログラムが充実しているとは知りませんでした。おかげで元日はこのプロムスのあと、ヤンソンスとウィーンフィルのニューイヤーコンサート、ラトルとベルリンフィルと2005ジルベスターコンサート、チョンミュンフンとフランス放送orch.のベートーヴェン第9、ウエイン・マーシャル&ワシントン・オペラのガーシュイン”ポギーとベス”を聴きました。朝はロンドン、それからウィーンとベルリンに渡って、夜はパリとワシントンです。しかもタダ!放送だとはいえ、たいそう贅沢な演奏会が目白押しだと思いません?


ここからは教えてクン&お願いモードです
どなたかRADIO LOVERを使ってBBCのRadio3をダウンロードして、iPodで楽しんでいる方いらっしゃいませんか?教えてください、Radio3をどうやってRadio Loverのソフトに認識をさせるか、さっぱりわかりませんリンク先をコピペしても、iTuneでRadio3を拾ってくれないのです!ここにコメントでもメール ayabooon@gmail.com でもかまいませんから、教えてください!!!


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ムント&京響、シャイー&ロイヤル・コンセルトヘボー、アルブレヒト&読響、そしてベルティーニ&都響、このコンビで共通で共通していることがあります。それはそれぞれが長らくシェフをつとめていた(アルブレヒトは来年迄)自分のオーケストラとのお別れ演奏会に選んだ曲が全て同じなんです。選曲されたのはマーラーの交響曲第9番。今3/17に急逝したベルさんの都響との最期(最後ではなく最期)の演奏が収録されてたCDが先日発売されました。このコンサートについては、昨年6/7のblogに簡単に紹介をさせて頂きましたが、その時はまさかベルさんと都響との本当に本当に最期の演奏会になるなんて、誰も想像もしていなかったし、実際に2006年には都響そして「一目惚れ」とベルさんが言っていた大フィルとの再共演が予定されていたのですから・・・。

この録音は昨今のライブ録音といいながらリハーサルやいくつかの演奏会を一部つぎはぎしたようななんちゃってライブ録音では無く、生々しい限りの1回録りライブ。改めてこのCDを聞くと1年半前の感動が蘇る。そしてあのときの感情には無かった辛さが彷彿として、ちょっと冷静な気持ちでは聴くことが出来ない演奏です。本当に本当に素晴らしくてなんと表現したらいいのですかね、メンバーはベルさんへの愛情と謝意、そしてベルさんもメンバーへの愛情と謝意を込めて、共に愛するマーラーの作品を慈しみながら渾身の演奏を聴かせてくれます。時折ベルさんの息づかいやうなり声が入っていて、それが余計にぼくを辛くさせる。(演奏後の拍手については、最後の一音が消え入ってからあまりに静寂が(40秒以上)が長かったので、少し拍手が出るのがCDでは早いけど、それは少々仕方のないこと。)

ベルさんはご存じのように音楽にはもとより、オケや歌劇場に対して非常に厳しい方なので、それが災いして欧米ではオケやあまり優秀でないのにもかかわらず有名である指揮者から疎まれて、活動の場を狭めてしまったことがあります。カラヤン時代には何度も共演したベルリン・フィル、前音楽監督からラトルに変わったことで漸く共演の話がでてきたばかりでした。しかし一方ではケルン放響の黄金時代を築いたにも関わらず、音楽監督を辞したあと、全く共演をしていません。このような指揮者、他にもいましたね?そうセルジュ・チェリビダッケ。チェリといえば彼は殆どマーラーを演奏しませんでしたし、当時ベルリンフィルと肩を並べる程に成長したシュトットガルト放響を頻繁に指揮していた頃、マーラー9番を演奏する予定がありましたが、チェリがキャンセルをしました。メンバーを知るボクの知り合いによると、チェリが「この偉大な作品を演奏出来るオケはこの世にない」と言ったそうです。その後同じシュトットガルト放響がベルさんと共演してマーラーの9番を演奏し(もう30年位前です)、その模様をNHKFMで聴きましたが、チェリの目論見は見事に外れて、素晴らしい演奏をしてくれた記憶があります。チェリが実質的には常任指揮者のような立場にいたシュトットガルト放響でベルさんは何度もマーラーを演奏していたということは、もしかしたらチェリが手塩にかけて育てたシュトットガルト放響でマーラーが演奏出来るのはベルさんしかいない、と演奏を託していたのでは?と勝手に想像をしています。その演奏からだいぶ経ってベルさんと個人的に知り合うこととなり、本人にそのことを訊いてみたところ、ベルさん曰く「ドイツではブルックナーはチェリビダッケ、マーラーはぼく、って言われているようだね」と他人事のようにおっしゃっていました。

そういえばケルン放響とのマーラー全集、9番はケルンではなくてサントリーホールで録音されたものですよね。ベルさんは本当に日本の聴衆が好きでした。都響のメンバーが好きでした。演奏会に行かれた方は判るかと思いますが、古参のメンバーも若いメンバーも分け隔てなく自分の演奏会の舞台に立たせました。その中では演奏能力に問題があるメンバーもいましたし、周りからメンバーの交代を助言する人もいましたが、彼は音楽監督として、都響を育てるためになかなか首を縦に振らなかったのです。東京都の予算削減に都響は非常に厳しい環境下におかれていて、自ら都知事に対して直談判を何度もされていました。青島前知事に対しては「彼にはだまされた、うそつきだ」と怒りを露わにしていました。現知事については「彼は作家でもあり、文化に対する理解と愛情は強く感じた。しかし政治家として苦渋の選択を余儀なくされている」と一定の評価をされていました。

ベルさんと知り合って20年、本当にいろいろな事がありました。コンサートはいつも無料で招待して下さり、何度も食事を一緒にし、いろんなお話をしました。勿論音楽のこと、香港のことやお互いの家族のこと。1995年神戸での大震災の時(当時神戸に住んでいました)、誰よりも早く安否を気遣って連絡をして下さったのは他ならぬベルティーニさんでした。そんな彼から貰った膨大な手紙、そしてe-mailがあります。でももう彼の演奏も彼の笑顔も見ることも聞くこともできなくなりました。本当に残念です。これほど深い絆に結ばれた音楽家はぼくにとってはこれから決して現れてこないと思います。

来年にはエルサレムに眠るベルさんの墓参りに行こうと思ってます。彼への感謝と愛情を表現するには、今となってはぼくにはそれしかできません。

有難うございました、マエストロ!


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以前から国内盤の方が輸入盤より値段が高いことはよくありましたが、今回お知らせするドリームライフのバーンスタイン・コンサート・コレクションはあまりにも値段と内容が違いすぎ。
収録曲とドリームライフの価格は次の通り。

・Includes Bernstein On Beethoven - A Celebration In Vienna(4,935円)
・Bernstein In Vienna - Beethoven Piano Concerto No.1 In C Major(3,900円)

・Bernstein In Vienna - Beethoven The Ninth Symphony(4,935円)
・Bernstein In Paris - The Ravel Concerts: Alborada Del Gracioso, Piano Concerto No. 1 In G Major,
Shéhérazade, La Valse Tzigane, Bolero.(3,990円)
・Bernstein In London Verdi Requiem(4,935円)
・Bernstein In Australia - Tchaikovsky Symphony No. 6 "Pathétique" (3,990円)
・Leonard Bernstein’s Trouble In Tahiti, An Opera In Seven Scenes (3,990円)
合計7枚で30,675円(税込)

一方タワーレコードに紹介してある右のkulturのDVDは11,960円。
その差なんと18,715円!
おまけにドリームライフでは販売されていない次の3枚が含まれていて9枚組です。
その未収録内容を見て下さい、スゴい!
・Bernstein In Paris - Berlioz Requiem
・Leonard Bernstein - Chichester Psalms, Symphony No.1 Jeremiah, Symphony No.2 The Age Of Anxiety
・Bernstein In Japan - Schumann Symphony No.1, Shostakovich Symphony No. 5

ドリームライフは7枚で収録されていないのが3枚だと10枚じゃないの!?という
めざといあなた、素晴らしいヲタクの鏡!
太字で書いたベートーヴェンの分が1枚でKULTURでは収録されているからです。

ぼくは香港で9,000円弱で買うことができました。ちなみに
Amazon.comだと$89.99だそうです。


お客さぁ~ん、これでもやっぱり国内盤買います?


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どさっとまとめてばってんの香港フィル日記に11月に聴いた香港フィルの演奏を好き勝手に書かせていただきました。よろしゅうに!

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これほどまでに全てを否定するCDを聴いたことはない。それはレヴァイン指揮ミュンヘンフィルとのマーラー9番。一音一音がただ惰性で流れ、音楽を全く構築していない。これがあのチェリが薫陶した、あの世界最高のオーケストラといわれた演奏が奏でるなんて想像できません。ハーモニーは横も縦もガタガタ。フレーズの受け渡しも全くなっていない。こんな酷い演奏をあのミュンヘンで奏でられたなんて(実際全く「奏でられて」いません)想像もしたくない。

マーラー9番ってぼく以外にもいろんな想いを持っている方いらっしゃるとおもいますが、そんな大切な作品をことごとく破壊してくれたレヴァインには、ある意味憎しみさえ覚えます。こんな感情を演奏を通じて感じたのは初めての体験です。


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国内盤などで出てはいましたが、ようやくインターナショナル盤で出ましたね、レニーのDVDでのマーラー全集!CBSとの最初の全集、そして実際は未完に終わったDGとの全集の間にあるのがこのDVD。彼の激しい指揮ぶりでマーラーが見てそして聴けるのはなんとも楽しみ。しかし一朝一夕で聴き終える訳にも行かないし、じっくりと時間を見つけて楽しんでみようかと思います。

それにしても日本ではなんで同じものがあんなに高いのですかねえ?香港だとだいたい10,000円ちょっと。ちなみにぼくが買った店は、香港フィル友の会の会員割引とかで、1万円切って買うことができましたです。


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